第49回日本女性心身医学会学術集会

Women's Life Care 多職種からのアプローチ

ご挨拶

ご挨拶

関沢 明彦

第49回日本女性心身医学会学術集会および第32回日本女性心身医学会研修会を、2021年6月に開催させていただきます。当初は2020年7月に開催を予定しておりましたが、COVID-19の蔓延により開催を延期させていただきました。1年遅れての開催になりますが、依然、東京都内はCOVID-19のために緊急事態宣言が発出された状態が続き、予定していた会期の6月26-27日にも解除される見込みがつかない状況にあります。このようななかで本学術集会をこれまでのようなスタイルで開催することは難しいことから、ハイブリット開催を念頭に準備をすすめてまいりました。しかしながら、会場の限られたスペースに多くが集まることでのクラスター発生の懸念や緊急事態宣言下での人流抑制の必要性を鑑み、誠に残念ではありますが、WebでのOn Demand形式での開催に、急遽、変更させていただくことにいたしました。

本学会は長きにわたり、女性の心身相関に関する研究を推進し、女性の心身の健康と福祉に貢献することを目的に発展してまいりました。産婦人科診療のなかで、周産期、生殖、腫瘍、そして女性ヘルスケアのいずれの領域においても女性の心身医療、メンタルヘルスケアの重要性が高まっております。生殖医療における卵の段階から、思春期、成熟期、更年期、老年期までの女性の生涯にわたり、メンタルヘルスが重要性の高いテーマになっております。また、妊娠・子育て期における特定妊婦の問題、COVID-19感染に伴う妊産婦のメンタルヘルスケアの問題、生殖医療における就労問題、腫瘍における緩和ケア、さらに児童虐待・性虐待・介護中の虐待などの社会的弱者への虐待、DV被害、性別違和などの課題も指摘されています。これらは産婦人科医、精神科医、小児科医、助産師、看護師などの医療関係者のみならず、教育機関や行政の担当者も含めた多職種で解決すべき課題であります。さらに、昨今のCOVID-19の感染拡大に伴う自粛生活や雇用の不安定化などにより、女性の心身の負担が増している事実が報告され、この分野の重要性がますます高まってきています。

そこで、本学術集会ではこのような課題を解決するための議論の起点となることを期待して、「Women’s Life Care多職種からのアプローチ」をテーマにプログラムを組みました。今回の学術集会はOn Demand形式の講演会であり、講演後の質疑はできませんが、多くの課題について専門の先生のご講演を視聴することは非常に意義深いものであると考えています。是非、本学術集会に登録いただき、各種講演を視聴いただきますようにお願い申し上げます。

なお、講演の多くで日本専門医機構(産婦人科領域)、日本精神神経学会専門医更新、日本助産評価機構の単位が獲得できるように準備させていただいております。

2021年5月吉日

第49回 日本女性心身医学会学術集会
大会長 関沢 明彦
昭和大学医学部 産婦人科学講座 教授