会長挨拶

第31回日本神経免疫学会学術集会を、2019年9月26日(木)、27日(金)の2日間、幕張メッセ国際会議場(千葉市)で開催させていただくことになりました。本学会の千葉での開催は初めてになります。
日本神経免疫学会は1988年に設立されました。当初は厚生省特定疾患・免疫性神経疾患調査研究班の班会議に引き続いて「神経免疫研究会」として開催され、研究班と学会が一体化した形で行われていました。日本における神経免疫疾患に関わる研究・臨床をリードする方々によって煌めくような発表と議論が展開されており、初学者であった私は夢中で聞いていました。第9回から日本神経免疫学会となり、その後も国際的に一線となる研究成果が本学会から発信されてきました。今回そのような学会を主催させていただくことを非常に名誉に感じております。
本大会のテーマは「神経免疫疾患の克服を目指して」としました。もともと神経免疫の領域は神経疾患の中でも治療学の進んだ分野でありましたが、2000年以降の分子標的治療の導入に伴い、更なる新規治療法が飛躍的に発展しています。すべての神経免疫疾患を克服できる時代が近いことを感じています。
特別講演にはBerlin大学Charite医科大学のFriedemann Paul教授に欧州における視神経脊髄炎の臨床・研究の先端を、そして千葉大学大学院医学研究院・免疫発生学の中山俊憲教授に基礎免疫学の本道をお話しいただきます。教育講演・シンポジウムは先端研究と教育のバランスを考えて企画しました。シンポジウムにはClinical trialセッションを取り入れTRI医療イノベーション推進センター長の福島雅典先生に座長・コメンテーターをお願いし、実際に行われた神経免疫疾患に対する医師主導治験の実例について、それぞれに高所からのコメントを頂きます。今後新規治療開発を目指す若い医師に是非参加して頂きたいと考えております。
幕張メッセは東京駅からJR京葉線で30分、羽田空港からリムジンバスで35分と利便性の高い立地にありますが、マリンスタジアムや各種イベント開催は東京都内とは微妙に異なった雰囲気の地方色があり、レストラン、ホテルのラインナップも充実しています。
多くの皆様の千葉での神経免疫学会学術集会参加を心からお待ちしております。
- 第31回日本神経免疫学会学術集会
- 会 長 桑原 聡
千葉大学大学院医学研究院 脳神経内科学 教授